日本経済はなぜ成長しなくなったのか?

新聞紙

日本のGDPはアメリカ、中国に続き、第3位ですが、一人当たりのGDPでは14位で韓国に抜かれた記事を目にします。実際に1992年以来、日本のGDPは500〜600兆円の間を行ったり来たりしている状態です。なぜ成長できなくなったのかを私の経験を踏まえてお伝えします。

結論から言いますと今後も日本の経済成長はないと思います。

その理由ですが、

  1. 日本の製造メーカーはイニシャルコスト(初期費用)を最優先する。
  2. 日本人は値上げに対する罪悪感を持っている。(自社商品の価値に自信を持っていない)
  3. 日本人は保守性の強い国民のため、失敗を恐れるために、良い物であることがわかっていても採用しない。

まず、最初のイニシャルコストについて、海外メーカーはイニシャルコストより、ランニングコスト(維持費用、運用費用)を重視します。

日本のメーカーは、コンポーネントなどの必要部品を購入する時にサプライヤーに強烈にコストを下げることを要求します。そのため、供給するサプライヤーも高付加価値製品(高価な部品)をプロモーションしても売れないため、無理に売り込むことをしません。

購入する側からすると、社内に対して初期費用を落とすことが目に見えてコスト低減できることがアピールできるからです。

逆に、海外メーカーは、良いものと判断できれば積極的に高付加価値製品を採用します。例えば、ユーザーやお客様がこの高い部品を使用することで、省エネに繋がり、稼働時のコストが抑えられ、イニシャルコストで上がった分は、短期的にペイ(元が取れる)できればいいわけです。

これが製品の利点になるため、付加価値が付き、高い値段で売ることができるのです。

つまり、イニシャルコスト(初期費用)は高いですが、稼働時間が長ければ長いほどランニングコストは安くなることをユーザー、顧客にうまくプロモーションします。

2番目に、日本企業と海外企業の組織構造に違いがあります。日本の製造メーカーは、購買、資材部門の力が非常に強いですが、海外メーカーは技術部門がコンポーネントを判断して採用、不採用を決めます。逆に言いますと、日本企業の技術部門がいくら良いコンポーネントだと認めても、購買部門が価格が高いからNoと言えば採用されないわけです。

そして3番目に日本企業は失敗を認めない環境にあります。もし、新しいコンポーネントを採用し、それが不適合などクレームが発生すると、そのコンポーネント製品を採用した人が、責任を負うことになります。

当然、担当者は責任を取りたくないですから、今までの無難な製品を使用します。

これでは、使用しているコンポーネントは20年前と同じなので、製品としての目新しさはなく、コストを販売価格に転嫁できないため、マクロで見れば、経済成長できないわけです。

さらに新しいコンポーネントを使用している海外メーカーが製品性能として優位に立つため、ますます日本製品が安く買い叩かれ、悪循環(デフレ)に陥ることになります。

海外メーカー製品は、定期的に価格を上げています。そして為替の影響、原材料の高騰などがあれば即価格転嫁します。日本メーカーは価格改定をしても約数%の値上げで済ませますが、海外メーカーは当たり前のように10%、20%上げます。

我々日本人が価格に対する考え方を改めないと近い将来さらに悪い経済状態にならないことを願いたいですね。

まとめ

  1. イニシャルコストからランニングコスト重視へ製品開発の考え方を変える。
  2. 企業内のイニシアチブを購買部門から技術部門へ転換する。
  3. 開発部門は失敗してもお咎(とが)めない環境を整える

日本経済が世界から置いてきぼりにならないように、明るい未来にしたいですね。

ご一読いただき、ありがとうございました。

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