ある大手銀行が立て続けにATMで取り引きができない状態が発生し、責任を取ってトップが交代するとのニュース記事を見ました。原因は合併前の各々の銀行のシステムが完全に統合できなかったことと言われています。現在の頭取や一部の幹部が退陣し、平成入社の役員が新しい頭取になるそうですが、内部昇格の頭取に変わっても、この銀行は変わらないと思いました。
変わらないと成長することがないということですね。
新しい頭取に変わって、表面上パフォーマンス的に変わることがあっても、長年受け継いだ社風は簡単に変わることはないでしょう。それは同じ文化を持っているからです。
昨今、プロ経営者が社長として外部から招聘(しょうへい)されることが多くなりました。それは人的なしがらみがないことで、思い切った改革ができるからでしょう。しかし、社長と言えども、オーナーから雇われた社長ですから、結果が出せなければクビになります。
欧米では、創業者の自分が社長を退いて、社内昇格させるのではなく、外部からヘッドハンティングでCEOを招くことが多いそうです。
なぜそのようなことをするかと言えば、会社の成長速度を早めるために、成功体験をしている方に任せたほうが確実と考えているからでしょう。
しかし、これは諸刃の剣で、成功した時の利益と失敗した時の損失が極端に大きいことです。
ステークホルダー(従業員、サプライヤー、顧客、株主、経営者)の立場で考えた時に、急激に会社を大きくすることが、本当にステークホルダーの利益に繋がるのでしょうか?
以前、ある会社が急激に大きくなったため、創業時の社員を管理職や幹部に登用したら、その職責を果たすことができなかったため、その会社に居づらくなり、辞めてしまった事例を聞いたことがありました。
だからプロ経営者が必要と言われるのは理解できますが、日本の企業で外部から登用したプロ経営者(社長)で上手くいっているケースをあまり聞きません。
考え方の違いと言われたら、それでおしまいですが、急激な成長でなくても、社員や従業員が幸せであれば、ゆっくり変化し、ゆっくり成長してもいいのではと思います。
従業員が会社の成長の速さについていけないために、不幸になってしまってはいけないと思います。
私は、日本の企業は、現在の社長や創業者が後継者を確実に育てて、バトンを渡す方が上手くいくと思います。
経営環境は日々変化している状態で、会社を大きくしたために身動きができず、潰れてしまうこともあると思います。
環境の変化に耐えることができず、古代生物の恐竜が絶滅し、反対に小型生物は環境の変化に順応し、進化して生き残っているケースと同じではないでしょうか。
まとめ
- 現状が変わらなければ成長することはない。
- 早く成長することが、従業員やステークホルダーの幸せに繋がるとは言い切れない。
- 経営者、従業員は常に環境の変化を感じ取り、その変化に即対応できるようにあらかじめ準備する。
ご一読いただき、ありがとうございました。
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