工場の海外移転は将来にツケを残しませんか?

関東のストッキングメーカーが、東北にある100%子会社の生産工場を5月末までに閉鎖し、生産拠点を中国の工場に移転する記事を読みました。この記事に関連して私の意見をお伝えします。

上記の場合、これだけの内容で判断できませんが、なぜ海外の工場を閉鎖し、日本の工場を残すことを考えなかったのでしょうか?と正直考えてしまいました。

ミクロで考えると、一時的にはコストを低減でき、収益改善の効果が目に見えやすいですが、長い目で見ると日本経済にとって良くないことは過去の事例でわかるのではないでしょうか。

日本の自動車部品メーカーは人件費の高騰とコスト低減を考えて、過去に中国、東南アジアに工場を移転してきました。しかし、タイで発生した大雨による洪水で工場が浸水し、生産することができないため、日本の工場で生産を再開しようとしたら、生産加工に係る技術が蓄積がされていなかったため、生産開始できなかったことがありました。そのため、現地の社員が日本の社員に部品製作のやり方を教えることになったことがドキュメンタリー番組で放映されたことを記憶しています。

当然工場を誘致される側は、働く人が収入を得て、その周りでお金を使えば経済活動が大きくなりますが、閉鎖される側の従業員は解雇されて、収入がなくなりますから、その地元での経済は大きな痛手を被ることになるでしょう。

それは回り回って最終的には自分で自分の首を絞めることになってはいないでしょうか?

もし、国内に工場を残し、基本的に海外移転しなければ、生産技術は日本に残り、それがさらに効率を向上させて、コスト競争力を上げることになりますし、人件費も人手不足解消により収入も多くなり、それに伴い物の値段も上がることで経済活動が大きくなっていたでしょう。

日本のGDPが20年以上伸びていないのは、過去に工場を海外移転したツケが来たと言っていいでしょう。

私は経営者ではありませんから、その立場はわかりませんが、少なくとも、そろそろ一時的な利益ではなく、長い目で物事をみていただきたいと思います。また、国や経済産業省は、海外工場を閉鎖し日本国内に工場を残した会社に対する補助金や法人税などの一時的な免除を行うなどの前向きな施策をお願いしたいと思いました。

まとめ

  1. 経営者は人件費を抑えることだけを考えるのではなく、技術の流出を防ぐために日本の工場を優先的に残す必要がある。
  2. 工場の海外移転は、将来的な日本経済に悪い影響を与えることは過去の事例で実証されている。
  3. 国は日本の工場を閉鎖させないような施策(例:補助金等)を講じる必要がある。

ご一読いただき、ありがとうございました。

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