儲け主義は人命を失うことにつながる

知床の観光船事故により乗客・乗員26人が行方不明になって25日で3日目。25日には子ども1人の死亡が新たに発表され、事故による犠牲者は計11人になったニュースがありました。犠牲者のご遺族には心よりご冥福をお祈り致します。今日はこの観光船事故に関することについて考えてみたいと思います。

1.会社は人が変わればその存在意義が変わる

知床の観光船会社は経営者が変わってから事故が立て続けに発生したことがウェブ記事に書かれていました。元船長が波があって出港を取りやめると、出港しないことに叱責されたことが書かれていました。経営者が変わってから船を運航する従業員も総入れ替えで、経験の浅い人が行っていたとのこと。4月、5月の海水温が低温のため、本来は6月まで運行していなかったコースだったことを聞くと観光客を危険に晒してでも儲け主義に走る経営者の人間性を疑います。船にある亜鉛版をおととしのまま変えていなかったとのことです。これは毎年変得なければならないのに変えていないのはなぜか?安全面も疎かにして経費を削減していたわけですね。本来安全を最優先しなければならないところにコストをかけず、売上を増やすためにその状態で素人が荒波で運航し、儲け主義になると自ずと結果はわかっていたはずです。

2.安全点検や検査内容は100%ではない

観光客を安全に目的地に運ぶために、船や飛行機、バス、鉄道などの移動手段は定期的な保全作業が義務付けられていますが、網走海上保安署は、遭難事故が起きる2日前の今月21日、観光船「KAZU1」の安全点検を行い、船体や設備に問題がないと確認していたことが報道されていました。安全点検の内容は分かりませんが、その内容が問題ないと判断したが、実際に問題が発生したことは、検査業務は検査内容に忠実に行われたと思いますが、検査内容そのものに不備があったと言わざるを得ないのではないでしょうか。

3.運航ルールを明確にすべきだった

もし、観光船の出港可能日などの解禁日を設定されていれば、少なくともこのような事故は未然に防げたのではないでしょうか。解禁日以降であれば他の観光船も運航しているわけで、もし座礁や沈没などが発生したとしても、近くに他の観光船が助けに行くこともできたわけですから国土交通省は安全を重要視した上記のようなルールを策定し、早期に施行をお願いしたいと思います。

4.我々は安全にコストがかかることを再認識する必要がある

過去にもスキーの格安バスツアーで運転手の過労により、バスが転落し、多くの乗客がお亡くなりになった事故を思い出しました。我々は安いことに非常に興味を持ちますが、その安さの裏に何があるのかをよく考える必要がありますね。運転手の方を酷使することにより、格安が実現していましたが、安全面が大きく損なわれました。また、今回の観光船も他の観光船に先駆けて危険な状態であることを知りつつ運航することにより、多くの人命がお亡くなりになりました。このような過去の事故や違反情報はネットで調べることができます。例えば家を建てる前に、色々なビルダーを候補に挙げ、大手のビルダーだけど値段が高いところを選ぶのか、それとも中小のビルダーだが、値段は安いのでそちらを選ぶか迷ったときに、必ずビルダーの評価情報をネットで調べ、欠陥住宅の事件があったとあれば即候補から外すと思います。このように過去の良くない情報もネットに載っていますので観光ツアーに使用する乗り物がわかれば、事前に調べておくだけでもかなりのリスク軽減になるのではないでしょうか。

まとめ

  1. 安い、おかしいと思ったら、まず過去の良くない情報があるかをネット等で調べてみる
  2. よくない情報が見つかったら、その会社の製品や商品を買わないことでリスクが軽減できる
  3. 業者は安全にコストをかけていることをアピールすることも必要である

ご一読いただき、ありがとうございました。

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