サプライヤーを大切にしないメーカーはいずれ市場から淘汰されるだろう

某自動車メーカーの系列会社の決算が新聞紙上で発表されていました。為替により、過去最高の収益をあげている会社もあれば、減収した会社もありました。今回は系列や下請けについて考えてみたいと思います。

1.下請け会社は上位の会社に利益を没収されるしくみ

某大手自動車メーカーは巨額の売上と利益を得ていますが、一次下請け、二次下請け、三次下請け等下に行くほど下請け会社の利益率は極端に減っていきます。当然利益が出なければ報酬や給料は増えません。なぜこのようなことが起きるのでしょうか?それは某王手メーカーは一次下請けどうしで価格で競わせ、一次下請けは二次下請けどうしで価格で競わせ、二次下請けは三次下請けどうしで価格で競わせる構造になっています。そのため、三次下請け会社が二次下請け会社の給料を上回ることはほとんどなく、同様に上位の会社から仕事を受けている会社が給料を上回ることがないことがわかります。

2.どこでも作ることができるものであれば、付加価値が下がってしまう

残念ですが、下請けどうしに競わせることができるのはどこでも作ることができるものだからですね。そのため、上位の会社は下請け会社に価格が下がらなければ他の会社に発注するとプレッシャーをかけ、価格を下げなければ仕事がなくなる下請け会社は価格を下げざるを得ないわけです。下がったコストはそのまま上位会社の利益になります。ではどうしたら上位メーカーに利益を没収されないようにできるのでしょうか?

3.下請けにならなければ利益は没収されることはない

下請けになるから、上位メーカーに利益を没収されるのであって、下請けにならなければいいわけです。対等な立場になるのです。簡単に対等になるなんてできないと思われますができます。値上げが認められないなら利益の出ない下請け製品はやめてしまうのです。でもやめる前に独自の技術を生かした製品の開発を心がけ、独自の販売ルートを作ることが必要になりますが、実際に下請けをやめて、高い利益で成長し、生き残っている会社があります。

4.下請け会社であるサプライヤーを大切にしない上位メーカーはいずれダメになる

実際にあった話ですが、あるメーカーが地元の小企業の製造会社に上記同様にコストを小企業どうしで競わせ、コスト低減を常に強要したため、地元の小企業は倒産してしまい、どこもやるところがなくなり、部品が供給されなくなったため、製品が組み立てできず、その会社も倒産してしまったということがありました。そのため、私はこの大手メーカーも下請けであるサプライヤーを大切にしなければいずれ己に降りかかってくることだろうと感じています。本来、最終製品を市場に供給するメーカーはサプライヤーと運命共同体という関係でなければ成り立たなくなってきています。ある工作機械メーカーはサプライヤーに経営情報を開示し、サプライヤーからの値上げ要求にも応えて安定的な生産を目指していますし、安定的な製品供給ができれば、納期が遅延することもないため、顧客からの信頼を得て、増収増益になっています。最終製品を市場に供給するメーカーは良い意味での利益代表となり、サプライヤーとともに成長できる関係を作っていって欲しいですね。

まとめ

  1. 売上金額が高くても、利益の出ない下請け仕事はやめる。
  2. 独自の技術が生かせる製品開発を心がけ、独自販売ルートを予め構築しておく。
  3. サプライヤー(下請け会社)を大切にしない最終製品メーカーはいずれ己に問題が降りかかる事になる。

ご一読いただき、ありがとうございました。

GEEK JOB
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次