サプライチェーンの分散はコスト高になっても必要になる

ある日本の自動車メーカーが、部品の調達ができないために一部の車種の注文を取り消し、新規の受注を中止することが発表されました。これは調達先の中国での生産ができないなどのサプライチェーンが要因になっているようです。今日はサプライチェーンの構築について考えてみたいと思います。

1.購買先で問題が発生すると大きなリスクを負う

安いメーカーから集中的に購買することを一社購買と言いますが、このメーカーが品質的な問題が発生したり、新型コロナウイルによるロックダウンにより生産ができなくなると、その構成部品が納入できなくなるため、製品を組み立てできなくなります。そのため売上が立たず、最悪黒字倒産も出る可能性があります。これはその部品を製造するメーカーも一社購買を行うことで同様に原料が手に入らなくなることにも繋がっています。

2.納入されなくなるリスクを抑えるには?

同じ部品を数社から購入することで、そのリスクは軽減できると思われますが、購入コストが高くなります。購入コストが上がれば販売時の利益が当然減ります。日本のメーカーはこのサプライチェーンを海外に求めることで、円高のメリットを生かして安い部品を購入してコスト低減に寄与できたわけですが、そこから納入できなければ国内などの部品メーカに依頼することになりますが、これができなくなっています。

3.なぜ国内から部品調達できなくなったのか?

以前はほとんどの部品を国内のメーカーで賄っていました。しかし、海外メーカーとの競争力を強化するために、海外から安い部品を購入せざるを得ない状況になりました。そのため、国内の部品メーカーに依頼していた購入部品を海外メーカーに切り換えたため、国内部品メーカーは倒産したり、事業を縮小してしまいました。また時間が経過し、製造ノウハウがなくなってしまったため、再度国内で設備投資することもできないため、簡単に国内回帰することができないわけです。

4.では日本のメーカーはどうしたら良いのか?

製品を供給する側は購入コストが上がっても一社購買をやめ、国内を含めた複数購買に切り換え、サプライチェーンである下請け業者への必要なコストを認め、製造のピラミッドの頂点に立つ製造メーカー一社だけが巨額の利益を取らないようにする。製品を購入する消費者側も必要なコストがあることを認める必要はありますね。それが最終的に日本市場のデフレ脱却の一助になるのではないでしょうか。

まとめ

  1. 下請けなどのサプライチェーンの値上げを認めず、大切にしないメーカーは納期遅延、注文取り消し、受注の停止などで顧客の信頼を失い、いずれ淘汰されるだろう。

ご一読いただき、ありがとうございました。

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