消費者の製品需要とメーカーの安定供給について

半導体不足により、一部の人気自動車が生産できないために受注を中止することが発生しています。今日のニュースで解熱剤の需要がコロナにより増加したため、生産調整するなどメーカーから発表されています。お客様にいつ納入できないものかわからない製品に注文を受けることができないこともわからないではないですが、何か違和感を感じています。皆さんは如何お考えですか?今日は消費者側の需要とメーカー側の安定供給について考えてみたいと思います。

1.メーカーは需要を調査し、生産計画を立てるが…

製品の構成部品が複雑になればなるほとその構成部品が調達できなくなる可能性が高くなります。例えば一つの製品を作るのに、100種類の部品が必要となれば、そのうちの1種類でも調達できなければ製品を作ることはできなくなります。これが1000種類になれば安定的に構成部品を調達できる可能性が100種類の製品より低くなります。製品が高性能化することで構成部品の種類が増えることになりますから、メーカーの生産計画はサプライチェーンの影響が大きくなります。この傾向はさらに顕著に現れることになるでしょう。

2.物不足が政治カードとして使われる

過去に中国がレアアースの輸出量を抑え、価格が上昇したことがありました。そのため、レアアースを使用する半導体は価格が上昇したことがありました。これは一例ですが、製品を作るために必要は資源や原料などの川上が遮断されるとそれらを構成する部品が作れないために川下では組み立てや製造ができなくなります。当然生産ができないため、顧客へ製品を納入できなくなり、売上が上がらず、最悪メーカーは倒産に追い込まれることになります。ロシアとウクライナとの戦争により、ヨーロッパの国々のメーカーがロシア市場から撤退しました。その報復としてロシアからの天然ガスが供給されなくなっています。つまり、製品を製造するための資源が供給されなくなると製品を生産できなくなることがわかっているため、資源国は供給資源を政治カードとして使用し、自国を有利な立場にすることを画策することが往々にして出てくる可能性が非常に高いと考えられます。

3.購入先のリスクを分散する

資源も一国からの購入依存度が高くなると、その国から購入できなくなると困ります。つまり安いからその国からの購入依存度が高くなると問題が起きた時のリスクが大きくなります。しかし、購入価格に拘らず他国から均等に購入することで、例えロシアのように天然ガスの供給が止められるような問題が発生してもまったく供給されなくなることは無くなります。これは国に限った資源の購入だけではなく、自動車や工作機械などのメーカー単位でも構成部品の調達において同様に言えることです。

4.海外で有事が発生しても問題なく対応するには?

結論から言えば日本国内ですべてのことが対応できれば問題ないわけです。日本は国内の食糧自給率が約40パーセントと言われていますが、自給率を上げることで食糧不足などのリスクを抑え、メーカーも必要な部品の調達先を国内に回帰させることで構成部品の調達不足のリスクが抑えられますが、コストは上昇します。つまり、国や日本のメーカーがサプライヤーから安定的な部品調達を目指すのであれば、購入先を数社に分散し、国内からの購入を増やす以外に手はないのではないでしょうか。消費者は一時的に安いコストを享受すれば購入できなくなるリスクが高まりますが、日々必要なコストをかけることで、消費者は、メーカーが製品を安定供給できることも理解する必要があるのではないでしょうか。

まとめ

  1. 製品を供給するメーカーは購入部品の安定調達を目指すためのコストを価格に転嫁する必要がある
  2. 製品を購入する消費者側もメーカー側の必要なコストを認識する必要がある
  3. 価格が高ければ製品を使用する消費者は大切に扱い、長く使用することに繋がる

ご一読いただき、ありがとうございました。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次